1.うちは資産家ではないので、相続税は気にしなくて良い?

首都圏に不動産をお持ちの方は気にする必要があります。
相続税は平成25年の改正により、基礎控除が大きく引き下がりました。
その結果、相続税が課税される家庭が増加しました。

具体的な例でみてみます。

家族構成 本人・妻・長男・長女の4人家族
本人に相続が発生した場合、相続人は妻、長男、長女の3人で基礎控除額は3000万円+(600万円×3人)=4800万円です。

本人の財産が 自宅 + 金融資産3000万円とします。
自宅が1800万円以上なら基礎控除をオーバーする事になり、相続税が課税されます。
首都圏の不動産評価額を考えると、自宅が1800万円を超える方は多いのではないでしょうか。
まずは、ご自宅の評価額を計算してみましょう。
計算が難しい場合は当団体までご相談下さい。

2.親の相続が発生したが、何をすれば良いのか

大きくわけて以下のようになります。
1.期限のある手続き(4か月までに準確定申告、10か月までに相続税申告と納税)
2.期限のない手続き
遺産分割協議自体は期限はありませんが、相続税申告が必要な方は税額を減額する特例が使えないので、期限までに完了させる方がメリットがあります。
(参考)相続登記が今後(2024年)に義務化される予定です。

3.不動産の共有は良くないというがなぜでしょう?

共有は今が問題なのではなく、将来問題が起きる可能性があるからです。 例えば、今は兄弟間で仲が良ければ話し合いで物事は進みますが、時間が経過すれば 兄弟が従弟同士、、さらに時間が経過すれば・・・とどんどん関係性が弱くなります。 そうなった時に不動産を売却したいと思っても、共有者が売却を望まなければどうなる でしょう? 共有の持ち分だけ売却する事は可能ですが、通常は購入する人はいません。 となってしまうので、兄弟間は共有にしない方が良いのです。 参考までに親との共有は、相続時に親の持ち分を相続すれば単独所有となりますので 問題にはなりにくいです。

4.相続した不動産をどうすれば良いか

4つの観点から検討します。

①ご自身又はご家族の方で利用する可能性
②賃貸の可能性
③売却予想価格
④リフォームや建て替えの可能性

ポイントは①~③の優先順位です
まずはご自身やご家族が利用するかどうかです。
次に賃貸した場合の予想賃料の検討(建物の築年数によっては危険性あり)。 自身や家族も使わないし、貸すのは嫌という気持ちの問題なら売却で良いと思います。 でも気持ちの問題ではなく不動産の物理的な問題で貸せないなら④を検討します。 具体的には建物が老朽化している場合はリフォームを検討します、危険で貸せないなら、 耐震補強や建替えなども検討します。 そのうえで結論を出しましょう。

注意点
相談する相手に注意して下さい。建築会社に相談すれば建替えを進められるでしょうし、 不動産会社に相談すれば売却を進められるでしょう。 企業側にとっては自社利益になる話ですから当然の事です。 所有者にとって中立的に一番良い方法を提案してくれる会社かどうかを見極める事が必要 です。

5.遺言書を作成するべきか

遺言書は、あるケースでは絶対に作成した方が良いですが、一方、遺言書があった為に揉 めてしまうケースもありますので、その点を留意すべきです。

遺言者がある方が良いケース
相続人同士の関係に問題がある場合
①相続人の中に行方不明者がいる
②相続人に異母兄弟などがいる
③子供がいない夫婦で配偶者と兄弟が相続人
④子供同士(相続人)仲が悪い

遺言書があった為に揉めてしまうケース
バランスが著しく悪い内容の遺言書がある。

理由
もらう財産の少ない子供は、財産を多くもらう子供に対し疑心暗鬼になります。 なぜなら親にバランスの悪い遺言書を書かせたのでは?と思い込むからです。

6.相続の専門家の選び方がわからない

相続には大きく①手続き、②税金と2つありますが、どちらかだけの専門家がほとんどです。 実は一次相続の手続(遺産分割協議)を安易に決め、税負担の優遇が無くなってしまう事や、 次の2次相続まで、対策が出来ないような遺産分割内容にしてしまったりする事があります。 手続だけと思わず、税負担および、2次相続対策を見据えた分割を検討するべきです。 専門家選びの際に、専門家自身の分野だけでなく、他分野への影響も考えてくれてような 方が良いと思います。 また、首都圏は不動産の評価が高い為、不動産相続に精通された方という点も重要です。 当団体では、法務、税務、不動産と様々な角度から検討させて頂きます。

7.あなたの街の「相続と不動産」相談室の特徴は?

不動産分野に強い点です。 相続分野において、「手続き」、「税金」は当然必須の事ですが、実は首都圏の場合は不動産をどうするかが 遺産分割も相続税も大きく影響をうける特徴があります。 一口に不動産と言いましたが、「優良不動産」もあれば、「不良不動産」もあるのです。 但し、不良不動産を工夫(組替えなど)する事で、優良不動産にする事も出来るのです。 有効活用する事で、相続税の圧縮効果や、あらたな収益源とすることもできますし、 あまりに「不良不動産」はあえて有利な方法で相続税に充てることで、 他の「良い財産を子孫に残せる」という選択も可能となります。 このように相続に精通した不動産コンサルタントがいるのが特徴です。

8.御主人の遺産を配偶者がすべて相続すれば相続税は安い?

一次相続時には税額が最も安くなります。 但し、二次相続の税額も確認されてから決めた方が良いと思います。 2次相続は相続人が一人減り、基礎控除が小さくなるのと、一次相続で使用した配偶者軽減がなくなるので 予想よりも高額な税額になると予想されます。 専門家によるシミュレーションを行い、一次相続+2次相続で最も税額が低くなる分割方法を検討するのが良いと思います。